和瓦の『のし瓦』、『冠瓦(かんむりかわら)』のお話。
和瓦には『のし瓦』、『冠瓦(かんむりかわら)』と呼ばれている部材があります。
聞きなれない言葉ですが、屋根のどこを指すのでしょうか?
写真を使ってご説明しますね。
こちらは、和瓦(わがらわ)と呼ばれているものです。
昔からあり、いぶし銀のカラーがとても美しい瓦です。
こちらも和瓦です。
少し色あせをしていますが、いい味出しています。
和瓦で葺かれている屋根を上から見てみます。
なんだかたくさん重なっている部材があります。
重厚感ありますね。
拡大してみて見ます。ちょうど、屋根の棟(むね)にあたるところです。
この何枚もバームクーヘンの様に重なってる瓦を『のし瓦』といいます。
のし瓦の一番てっぺんにあるかまぼこのような形をしたものを『冠瓦(かんむりかわら)』といいます。
この『のし瓦』と『冠瓦(かんむりかわら)』を合わせて棟瓦(むねかわら)と呼んでいます。
『のし瓦』には少し『むくり』が付いています。『むくり』とはかまぼこの形のようなゆるいカーブです。この『のし瓦』をすこしずつ、ずらして積んでいきます。
写真で見ても、ずれているのがわかります。今ではあまり枚数を重ねる事はなくなりましたが、昔はこの『のし瓦』を何枚も積むことで豪華になるとされてきました。
間にしっかりと漆喰(しっくい)をつめて、雨が入り込まないようにします。
職人さんの根気と技が必要な施工です。
街にある、古いお家を見てみてください。きっと何枚も重なった『のし瓦』を見ることができますよ。
8時半~17時半まで受付中!
0120-554-957