:雨漏りを止めたい!コーキング材補修の正しい方法教えます【名古屋市の街の屋根やさん】
では、コーキング材で補修する正しい方法を見ていきましょう。
コーキング材の役割と使用されている箇所
元々、コーキング材はどんな役割をしながら、どんな箇所に使用されているのでしょうか。役割としては、接着剤として建物を強固に固定する役割、建物内部に雨水が侵入しないようにする役割があり、主に建物の隙間が生まれる箇所によく使用されています。
例を挙げると、バス・洗面台・キッチンの目地、サッシ周りの目地、窯業系サイディング外壁やALC(軽量気泡コンクリート)外壁の目地、玄関・庭園タイルの目地、屋根・外壁・ベランダの継ぎ目、建具・換気フード・外用コンセントの周りなど、数々あります。あらゆる部分で使用されているのがわかるでしょう。
コーキング材の主原料はポリウレタンやシリコンであるため、紫外線や経年劣化でひび割れやはがれが出るようになり、だんだんと役割を果たせないようになっていきます。時間と共に傷んでいくことは仕方ないことでもあります。
コーキング材補修の方法
①今あるコーキング材を撤去
手袋をして、“打ち替え”という古いコーキング材を取り除くことから始めます。取り除くには、カッターでも可能ですが、ホームセンターなどでは専用カッターが販売されています。要は、部材を傷つけずにはがすことが重要なため、初めての補修ではここから難易度が高いといえるでしょう。
さらに、隙間などに残ったシーリングやゴミや埃などを刷毛やブラシできれいに取り除かなければならず、ていねいな作業が求められます。この作業をしっかりしなければ、新しいコーキング材でやり直しても密着せずに、雨漏りが繰り返される原因となってしまいます。
②コーキング部分周辺の保護
コーキングする部分以外にコーキング材がついて汚れないよう、コーキング部分周辺にマスキングテープを貼ります。
③コーキング材を流す
シーリング材を密着させるためのプライマー(下塗り剤)を材料の表面に塗り、乾いたらコーキングガンでコーキング材を、上から下へ均一に流し込みます。コーキング材と相性のいいプライマーを使用することがポイントです。
④きれいに仕上げる
幅のあるヘラで1回なぞり、コーキング材をきれいに仕上げます。ヘラとマスキングテープについたコーキング材は不要です。マスキングテープをはがす時は、棒で巻き取ることをおすすめします。
コーキング材の種類
ホームセンターのコーキング材売り場には、多くの種類があります。屋内・屋外それぞれの部材に適合したコーキング材をしなければ、またトラブルの発生を呼ぶことになってしまいます。
サイディング外壁のコーキングにおすすめするのは、変成シリコン系のコーキング材です。他のコーキング材より高くなりますが、耐水性や耐候性などの機能が違います。
ALC外壁・金属の目地、コンクリートのひび割れ補修には、ウレタン系のコーキング材がおすすめです。
雨漏りをコーキング材で補修する場合の注意点
注意しておかなければならない点は、コーキング材が使用されているどんな箇所でも補修できるのかが、まず正否の分かれ目になるということです。結論からいうと、仮補修が可能な箇所は限定されます。もし、仮補修に適さない箇所をシーリング材で埋めてしまった場合、前述の繰り返しになりますが、雨漏りのダメージを大きくしてしまうことさえあるのです。
ここでは、雨漏りをコーキング材で正しく補修できる箇所と不適切な箇所をお伝えします。目安となるのは、屋根以外の屋外の箇所か、屋根に関する箇所かの違いになります。
雨漏りがコーキング材で仮補修できる箇所
屋根以外の屋外の箇所になります。あくまでも応急処置としての補修ですが、手の届く範囲で目視できる程度の範囲なら、補修は可能です。難しい箇所もあるため、後で必ず業者の診断と補修を受けることをおすすめします。
①業系サイディングやALC外壁の目地
約10年が過ぎた時点で、雨漏りが心配になる外壁の目地。すでに雨漏りが出ている場合は、ひび割れやはがれが進行してしまった状態でしょう。応急処置だとしても、コーキング材を流すための道具を揃えなければなりませんし、美観にもかかわりますので、大変な補修となります。
②モルタル外壁やALC外壁のひび割れ
継ぎ目がないモルタル外壁、目地のあるALC外壁、共に目の届く範囲で一部にひび割れがある場合は、コーキング材での応急処置が可能です。美観を考えながらの補修は難しいかもしれません。
③サッシ周り
サッシと外壁の間にもコーキング材がありますが、サッシ周りなどは既存シーリングを撤去できない場合があるため、上からそのままコーキング材を充填する“増し打ち”をせざるを得ない場合があります。
雨漏りがコーキング材で仮補修できない箇所
自分で補修するのではなく、業者に最初から依頼したい箇所は、屋根に関する箇所になります。理由は、素人では雨漏りが改善されない確率が高いことや高所での作業が危険なことです。
元々、実際に屋根に上って見なければ状況はわかりませんから、原因の特定や補修・修理は業者の判断に任せるほうがいいでしょう。
①屋根材の補修
瓦やスレート屋根など、どんな屋根材が割れたり、欠けたりしても、自分で触らないようにすることが一番です。屋根材の下の防水紙(ルーフィングシート)が原因かもしれないからで、直接の原因がわからないまま、屋根材にコーキング材を使用することは補修の意味がないばかりか、雨水を他に移動させる可能性を高めてしまいます。
②金属性部材の補修
板金や金属屋根材などが錆びたり、穴があいたりしていたとしても、部材の取り替えができなければ、コーキング材での補修をしても雨漏りは改善しない可能性が高くなります。
③高い場所の外壁の補修
屋根と同じく、高所での補修は危険になることや一ヵ所の補修でない場合、点検をすべてすることは難しくなります。すべてを補修しなければ、雨漏りは改善しないからです。
やはり、雨漏りのことは業者に依頼したい
コーキング材で補修が上手にいったとしても、雨漏りが完全に止まり、美観も保たれるとは限りません。どうしても、仕上がりはプロの業者にはかなわないでしょう。後に雨漏りの補修を業者に依頼する時や本格的なリフォームをする時に、コーキング材で補修をしたところのやり直しが二度手間になり、費用が高くつく可能性もあります。
雨漏り補修の費用相場は、どの箇所を補修するかで変わってきますが、2階建て30坪の住宅で考えると、DIYでは約5~7万円、業者では約5~50万円 (足場代込)です。費用がかかると感じるかもしれませんが、不安のないしっかりしたメンテナンスを考えれば、始めから業者に補修を依頼したほうが結局はコスパがいいと思えるでしょう。業者なら、雨漏りの原因を突き止めた上で作業をしてくれます。
あくまでも雨漏りの応急処置は、やむを得ない時の手段だと覚えておきたいものです。