屋根瓦の耐久性は？

屋根瓦は塗装メンテナンスの必要がないため、屋根材の中でも寿命が長いといわれています。瓦の種類によって耐久性は違いますが、長ければ約50～100年ということもあるほどです。他の屋根材だとせいぜい約15～30年ですから、いかに高耐久かがわかりますが、安心はできません。屋根瓦だとしても経年劣化は進んでいるからで、一生涯、何も修理をしなくていいというわけにはいかないのです。

屋根瓦がズレたり、ひび割れたりする原因は？

高耐久といわれる屋根瓦ですが、何十年と経つうちにはやはり台風や暴風雨、地震などによってズレたり、ひび割れたりすることが起こってきます。自然災害の他、隣接する土地に建物が建ったリ、空き地になったりした時の風圧の変化などでも起こることがあります。

外的要因によって屋根瓦の固定が弱まることが原因になります。

屋根瓦のズレ、ひび割れなどを放置するとどうなる？

必ずしもすぐ雨漏りするわけではありませんが、いずれは結果として雨漏りになっていきます。雨漏りにすぐならないのは、ルーフィングシートという防水機能を持ったシートがまだ機能しているからです。屋根材には必ずある素材で、下地木材（野地板）まで雨水が浸み込まないようにしています。

ルーフィングシートの寿命は約15～20年で、屋根瓦自体の寿命に比べて短くなります。屋根瓦のズレやひび割れなどがなく、雨漏りもないとしても、通常の屋根材と同じように点検は必要です。

屋根瓦の点検ポイント

屋根瓦の不具合は、目に見えてわかる場合、ズレていることに気がついていない場合、どちらもあり、やはり点検は必要です。瓦が重なる屋根の頂点部分の棟瓦がズレていないか、個々の瓦にズレ、欠け、割れ、外れはないか、瓦同士の隙間を埋めている漆喰の剥がれはないかなど、一つ一つの箇所をていねいに見ていくことになります。

実際に点検を依頼すると、問題がない場合もあり、それはそれで安心材料となるでしょう。ただ、今後どのくらいで補修や修繕をしたらいいのかの目安は、しっかり聞いておきたいものです。

屋根瓦の補修や修繕

屋根瓦の点検をしてみないとわかりませんが、診断結果によって対策は違います。信頼できる業者の正確な診断の上、適切な補修や修繕をしていきましょう。

• 屋根瓦がズレただけで他の損傷がない場合

屋根瓦がズレただけなら、元に戻す作業で十分ですが、後はルーフィングシートの問題です。ルーフィングシートが重要ポイントとなります。

ルーフィングシートを取り替えるだけで屋根瓦をそのまま再利用するなら、葺き直しになります。

• 屋根瓦にひびが入った場合や割れた場合

たとえ、ひびが入ったことや割れたことが屋根瓦1枚だったとしても、交換することをおすすめします。ここでもルーフィングシートのチェックが問題です。ルーフィングシートが傷んでいれば、剥がす作業をしなければなりませんから、補修というより修繕になります。

• 屋根瓦のズレが広範囲にわたる場合や下地木材（野地板）の寿命がきている場合

屋根を全面的に修繕しなければならなくなります。屋根瓦をすべて交換したり、下地木材（野地板）から交換が必要になったりするレベルは、葺き替えです。