屋根塗装の格安業者は危険?業者選びの防衛策
屋根塗装が安いと謳う業者の“格安”はどれくらい?
価格が“安い”ことは、とても魅力的に聞こえます。屋根塗装も金額が金額だけに、安いといわれれば興味がわきますが、安いというからには相場があってのこと。安いことを謳い文句にしている業者は、他の業者に比べてどのくらい安いのでしょうか。
屋根塗装を依頼すると、スレート屋根で考えた場合、足場代込みで約30坪:約40~60万円、約40坪:約50~80万円、約50坪:約60~100万円が相場になります。
格安というのは、これより極端に何十万円単位で安い・値引きをするということで、おかしな話です。中身の説明次第では、数万円の値引きはありですが、安くなる理由は知るべきでしょう。
業者がキャンペーンだからとか、今決めれば安くするとかの説明しかできないのであれば、怪しい話だと疑いましょう。
屋根塗装が安いと謳う業者を選ぶ危険性
屋根塗装にざっとかかる項目と費用は、「塗料代」「工事代+人件費」「足場代」「利益」になります。内訳比率は、2:3:2:3というところが一般的です。
屋根塗装が安くできるというからには、内訳比率を考えれば、人件費や利益を削ることしかないでしょう。人件費を削るとすれば、経験や技術のない職人を雇ったり、人数を減らしたりしなければなりません。利益を削るとすれば、よほど良心的で他業種で何かの利益を得ている業者でない限り、これも現実的とはいえません。足場を無料などと謳うのは、疑わしい証拠です。
よって、見積書で他社と同じ項目なのに安いということは、何かのカラクリがあるとしか思えないのです。上記で述べたことの他、例えば塗料の数や工程を減らしているとか、安価な塗料だけで提案しているとかなど、必ずどこかに落とし穴があるでしょう。見積もり項目が“一式”となっているのも、工程をごまかしている可能性が高くなります。
“安いと謳う業者には、何かの危険が潜んでいる”と思ったほうがいいかもしれません。
“安い”に惹かれた契約での失敗例
まさに、“後悔先に立たず”です。安いというワードに惹かれてよく調べずに屋根塗装業者と契約したばかりに、失敗したという事例は後を絶ちません。ここでも一例を挙げておきますので、しっかり見ておきましょう。
- “安い”“無料”などのトークに負け、その場で契約
訪問業者に多いセールストークです。わかってはいても、その場の雰囲気に呑まれ、つい契約してしまい、後で契約内容や工事のずさんさが発覚したケースになります。
- 塗装後にすぐはがれてしまった
塗料の耐用年数にも反して、1年も経たずに塗装がはがれてしまうことがあります。完全に工程を省いたとしかいいようのないケースです。
- 塗装色が違った
色の選択時の打ち合わせが不十分であったり、職人の経験不足だったりすることで起きるケースです。屋根は目立ちますので、最初の打ち合わせでのチェック方法が肝心になります。
大手塗装業者を選んでも、安心とは限らない
名の通っている大手塗装業者に依頼すれば間違いないと思うかもしれませんが、半分正解で、半分不正解になります。第一に費用は安いどころか、高くなります。契約している職人は孫請けが多く、中間マージンが発生し、職人の人件費より自社の利益優先だからです。
看板を背負っている点で信用問題にかかわりますので、下手なことにはなりにくいでしょうが、塗料も変わらないのに、費用は高く、手抜きも孫請けの職人次第だとすれば、内容的には“安い”屋根塗装業者とどこが違うのかと疑問がつくでしょう。
本当に屋根塗装が安心して安くできる方法はない?
1社の見積もりでは金額が比較できません。よって、3~4社に同じグレードの塗料をお願いして見積もりを取れば、妥当な比較ができるでしょう。相見積もりを3~4社に絞るのは、あまり多いと比較がわかりづらくなること、同じグレードの塗料でお願いするのは、違うグレードでは単価が違うため、比較にならないためです。
②足場が必要な工事と一緒に行う
建物メンテナンスには屋根や外壁、雨樋、バルコニーなど、施工しなければならないことが数々あります。その都度、足場を組んで行いますので、足場代が別途かかることになります。一気にメンテナンス施工を行えば、足場代は一度で済み、長い目で見れば費用はお得になるというわけです。
ただし、一度に費用がかかりますので、そのあたりの検討は必要です。
③塗料をグレードダウンする
塗料の種類によってかかる費用は違いますから、屋根塗装業者からすすめられる塗料よりワンランクダウンさせることで、多少は安くなることは可能でしょう。
ただし、耐用年数が違ってきますので、再塗装時期を早めてしまうかもしれません。
④優良なキャンペーンを利用する
期間限定で、キャンペーン価格を設定して割り引いていることがあります。業者のHPに掲載されていることが多いですが、なぜ安くなるのかは問い合わせ時によく確認しましょう。
紛らわしいことに、訪問業者のセールストークや悪徳業者のトークでもキャンペーンというワードはよく使われます。モニター価格とか、何十万円の大幅割引とかの場合は特に要注意でしょう。
⑤閑散期に依頼する
リフォームの繁忙期は、春や秋といった陽気のいい時期、引っ越しシーズンに行われるため、比較的業者のスケジュールが組みやすいのが夏・冬になります。業者のHPを見ると、閑散期を出していることもあり、何かの割引をしているかもしれません。余裕のある時期のほうが、品質のいい工事が確実でお得に行われるチャンスでしょう。
覚えておきたい、安心な屋根塗装の業者選びの防衛策
これまで見てきたように、屋根塗装業者を“安い”だけで判断することは危険が伴います。内容次第とはいえ、多くはそれなりの安かろう、悪かろうではないでしょうか。
屋根塗装を安さだけで見ていると、肝心な施工内容やその後のアフターフォローまでも見失う結果になりがちです。やはり、屋根塗装のみならず、その他メンテナンスでおすすめしたいのは、第一に地元の風土をよく知っている、地元に根づいた屋根塗装業者を選ぶことでしょう。
3~4社ピックアップした上で、以下のチェックポイントでさらに絞っていってはいかがでしょうか。
チェックポイント
1.塗装実績が三ケタはあるか
2.目視の点検を無料でしてくれ、場合によっては他の点検提案もしてくれるか
3.点検時の写真や映像をその場で見せてくれるか
4.施工時の写真を撮ってくれるか
5.点検後日、しっかりした詳細な見積もりを出してくれるか
6.アフターフォローはついているか
7.困った時にすぐ駆けつけてくれそうか
8.話をよく聞いてくれそうか
9.価格は妥当であるか