屋根修理における勘定科目について解説【名古屋市の街の屋根やさん】
勘定科目。個人事業主や法人で事業をしているならば、必ずついて回る問題です。経理上、どう処理をしていいものか、判断に迷うこともあるでしょう。屋根修理もその一つです。事業をしているのであれば、戸建てにしても、自社マンションやビルにしても、事業主が屋根修理と勘定科目の関係をしっかり理解する必要があります。まずは勘定科目の目的から始めていき、段階的に屋根修理と勘定科目のことを解説していきます。
勘定科目の目的は?
日々の取引の内容、お金の流れを示す見出しが勘定科目になります。決算書(貸借対照表・損益計算書)にまとめるため、帳簿に記入する項目です。
具体的に主な勘定科目をいくつか表すと、売上高、租税公課、地代・家賃、水道光熱費、修繕費、通信費などがあります。項目は数多くありますが、これらがなければお金の流れがわからないため、個人事業主や法人にかかわらず、必要になる収支です。お金の流れだけでなく、物の増減に対しても記入されることになります。収支次第で毎年の経営判断につながりますので、一つの勘定科目でも疎かにはできません。わからない勘定科目があれば、必ずクリアしていく必要があります。
なぜ、屋根修理の勘定科目が問題?
いろいろな勘定科目がある中、なぜ、屋根修理が問題になってくるかというと、どのように計上するかで納税金額が変わってくるからです。
屋根修理といっても、必ずしも勘定科目が「修繕費」になるとは限りません。資本的支出である「建物」「建物付属設備」になる場合もあります。処理に慣れていないと、屋根修理は常にある取引ではないため、科目選びが難しいことが考えられ、長年、経理や会計担当をしていないと、どう計上していいかがわからないこともあるのです。
屋根修理の勘定科目がわからない場合、内容で見ていくと、屋根修理の適切な勘定科目がだいたいわかるようになります。
屋根修理の勘定科目は?
屋根修理は「修繕費」、資本的支出として「建物」や「建物付属設備」になる場合があると述べましたが、「修繕費」と資本的支出である「建物」「建物付属設備」の違いを見ていきます。
「修理費」になる場合
「修繕費」になると、税金が減る可能性があります。屋根修理の内容として挙げられるのは、一部の屋根材に穴があいた、雨漏りがしたなどは「修繕費」です。建物の維持管理や原状回復を目的としたメンテナンスで、一括経費計をします。「修繕費」に該当する内容になる基準はいくつかありますので、お伝えします。
①費用が税抜きで20万円未満の場合
②3年以内の周期で修理や改修の場合
③「修繕費」か、資本的支出(「建物」「建物付属設備」)かの区別が難しく、費用が60万円未満の場合
④前年末資産取得価額の10%以下になる場合
資本的支出の「建物」「建物付属設備」になる場合
「建物」と「建物付属設備」の違いですが、「建物」は土地の上に建てられた、屋根・柱・壁で構成される工作物、「建物付属設備」は建物に付属して機能する各種設備を意味します。
資本的支出の「建物」「建物付属設備」になると、固定資産税評価額が上がることがあり、固定資産税が増額される場合があります。建物の耐用年数を延ばして価値を高める修繕となるからです。例えば、屋根材の葺き替え、遮熱などグレードアップした塗装などをした場合になります。
建物の耐用年数に応じた減価償却が必要で、複数年にわたって定額法か、定率法での償却費で処理することになります。
減価償却費
固定資産は、時間の経過と共に価値が下がっていくものです。低下する価値を事前に考え、使用可能な期間内に徐々に計上していく費用が減価償却費になります。つまり、入手した費用を回収していくのです。
使用可能な期間といっても、実際の使用期間ではなく、法律で決められた品々の期間を指します。
特例の場合
①災害時の特例で、原状回復が明確な場合
ただし、「修繕費」か、資本的支出(「建物」「建物付属設備」)かの区別が難しければ、総費用の30%が「修繕費」、70%が資本的支出になります。
②継続して7:3で形上する場合
総前年末資産取得価額の10%か、総費用の30%のどちらか少ない方が「修繕費」、残りが「建物付属設備」になります。
屋根修理の勘定科目は、業者選びが重要
屋根の状況によって修繕方法は違ってきますが、どんな方法で処理をするかで勘定科目にも影響があります。税金の方面にまで相談にのってくれる業者であれば、「修繕費」か、「建物」「建物付属設備」になるかの工事判断は、アドバイスがあるでしょう。
もし、税金などの専門知識がない業者だとすると、「修繕費」になる工事を資本的支出の工事にされてしまったり、その逆もあるわけです。そう考えると、いかに業者選びが重要なのかがわかるでしょう。工事の技術や知識も含めた総合的なレベルを考えると、屋根修理の有資格者のいる業者を選ぶことも重要です。屋根修理の資格をご紹介します。
屋根修理の各種診断士
ご紹介する資格の中には、実務経験を必須としないものもありますが、業者のHPにスタッフの写真と共に資格が載せてあるようなら、自信を持って公表していることですので、資格があることは一定の技量を持っているという目安になります。
- 雨漏り診断士
雨漏りについての専門知識と技術があるという判断材料になる民間資格です。
- 外装劣化診断士
屋根の塗装を含む、建物の外装の劣化具合を診断し、リフォーム方法を的確に判断する民間資格です。
- 瓦屋根診断技師
瓦屋根診断技師は民間資格ですが、「かわらぶき技能士(国家資格)」と「瓦屋根工事技士(国家資格)」の両資格を得た上で持てる上級資格となるため、難易度は高い資格です。
- 屋根診断士
屋根修理をする職人・業者の中で、最低でも持っていたい民間資格です。
屋根修理の勘定科目と銀行融資
屋根修理によって「修繕日」か、「建物」「建物付属設備」かの判断が難しい場合もありますが、これから銀行融資を受けようとするなら、「修繕費」をあえて資本的支出の「建物」「建物付属設備」にすることで、メリットとなる場合があります。
一括計上の「修繕費」より、資本的支出の「建物」「建物付属設備」の方が営業利益が上がっていることを印象づけること、つまり、決算書に「減価償却費」の項目がある経営をしていると、計画性を評価されることがあるからです。
納税額が上がっても、資金融資を優先したいなら、勘定科目の仕訳を検討することも一つになります。ただし、計上金額に迷うようなギリギリの判断のところでの場合です。
明らかに「修繕日」か、「建物」「建物付属設備」かで区別がつく場合は、心配無用となります。
屋根修理の勘定科目で判断しづらい時
屋根修理の勘定科目で迷うことがあれば、最終的には税理士に判断を仰ぐことをおすすめします。法人であれば、顧問税理士がいるはずですが、個人事業主でもなるべくは税理士に相談するようにしたほうがいいでしょう。「修繕日」か、「建物」「建物付属設備」かの部分は、税務調査で指摘されやすく、間違いのないように計上しなければなりません。
もし、資本的支出の「建物」「建物付属設備」を「修繕費」にすると、税務調査で指摘される可能性が高くなりますので、税理士への確認や相談はすすんで行いましょう。