大いに関係がある地震の揺れと屋根の重心。屋根が重いほど重心位置は高くなり、不安定を増して揺れは大きくなります。従来の日本家屋を想像するとわかると思いますが、瓦屋根が多かった時代、今の家とは違って柱が丈夫だとしても、瓦の重さがあるため、関東大震災などを見ても、建物倒壊が多くなったことは事実です。特に瓦屋根は、約150kg/坪もの重量があるといわれます。
こうした過去の経験から屋根の軽量化が図られ、現在の屋根材はいろいろな種類が作られ、防災の役割をしているのです。
屋根材の主な種類で重さを比べてみます。
屋根材の種類 |
重さ |
30坪当たり |
瓦屋根 |
約60kg/㎡ |
約6,000kg(軽自動車8台分) |
スレート屋根 |
約20kg/㎡ |
約2,000kg(軽自動車3台分) |
金属屋根 |
約 6kg/㎡ |
約 600kg(軽自動車1台分) |
これを見ると一目瞭然で、金属屋根の軽さが際立っています。金属屋根の中でもガルバリウム鋼板が一番軽く、耐久性も約25~30年と長いことから、一番おすすめの屋根材でしょう。
どうしても瓦の風合いがいいという方には、最近では防災瓦という、軽量化・耐震性を兼ね備えた屋根材が出ています。瓦1枚1枚が釘やビスで屋根に固定され、瓦同士を噛み合わせてロックした、これまでになく強固な固定が実現されたものです。重さも従来の瓦に比べると画期的な軽さで、39kg/㎡、30坪当たり約3,900kgとなりますが、やはり重さではスレート屋根や金属屋根にはかなわないことになります。
これまでご紹介したように、屋根を軽くすれば重心が低くなり、揺れが軽減される傾向になります。そこで問題になるのは建物の土台部分の揺れです。土台となる建物自体が旧耐震基準なのか、新耐震基準なのかで違い、差は歴然と現れています。
建物が旧耐震基準であれば、いくら軽い屋根にしても倒壊する危険性は高まります。やはり、建物の強度あっての屋根材ということがいえるでしょう。
もし、建物が瓦屋根で旧耐震基準だとすると、屋根だけを替えるより、まずは壁の耐震化を行ったほうが費用対効果としてはいいかもしれません。もちろん、屋根も替えて、他も耐震化することが一番いいのですが、費用の面が気になるでしょう。耐震診断をしてから結果を見た上で、リフォーム業者とよく相談をして決めてください。
少しでも費用を安く済ませたいとなると、リフォーム業者から既存の屋根材に新しい屋根材を被せるカバー工法をすすめられるかもしれません。そこで、疑問が出るはずです。いくら軽い屋根材を乗せたとしても、二重にしている時点で重さがプラスされるのではないかという問題です。
確かに重さが増しますが、軽い屋根材を被せていれば、重くなるといってもガルバリウム鋼板だと約600kgの増加です。仮にスレート屋根にガルバリウム鋼板を乗せたとして、他の部材を足して約1,000kg増加したとしても、約3,600kgで、防災瓦とあまり変わらない重さになります。
よって、一概に屋根材や工法で判断するのではなく、土台の耐震基準での判断がおすすめです。
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