【危険!?】屋根工事を安い工事業者に依頼するリスク
安い屋根工事が可能になる理由
塗料や屋根材によって金額は違うものの、屋根工事にかかる塗装では50~60万円、葺き替えとなるような全面工事なら、100万円や200万円単位になることも珍しくはありません。ちょっとした補修や修理でも、数万円は用意することになります。それなのに、極端に安い屋根工事業者がいるのはなぜでしょうか。良い屋根工事業者と悪い屋根工事業者の場合で、理由をいくつか挙げていきます。
良い屋根工事業者の場合
①完全自社施工
下請けを通さないため、マージン分を減らすことになります。
②仕入れ工程からのコスト削減や薄利多売の企業努力
利益を少なくしても、お客様のためにという精神があればこそになります。
③他の工事とのセット
ついでの工事を行うことで、実質的に一つの工事の費用が安くなります。
悪い屋根工事業者の場合
①元々、良くない材料を安く仕入れて使用
良い材料を安くではなく、安かろう悪かろうでもお構いなしに使用する危険があります。
②本業が別で利益がある
便利屋的な感覚でのついでの工事で、屋根工事に熱心ではない危険があります。
③相場を知らないため、費用設定が適当
他社より安く請負うため、単に金額だけを操作している危険があります。
④安いことだけがセールスポイント
価格勝負だけを売りにしている危険があります。
⑤人件費の節約
一人当たりの単価や人数を少なくするなど、人件費を削ってまで費用を安くしている危険があります。
⑥不法投棄の可能性
産業廃棄物としての処理代がないため、その分を安くしている危険があります。
⑦別セールスの疑いがある
一つの工事を安くしておき、別の工事を高く請求する危険があります。
安い屋根工事業者に依頼して起こったミス事例
屋根工事の費用が安いとしても、もしも悪い屋根工事業者に当たってしまうと大変なことになります。どんな失敗事例があるのか見ていきます。
- さらに劣化の悪化を引き起こした
正確な知識不足・経験不足、不適合で低品質の部材を使用など、プロの業者とはいえない屋根工事が行われると、補修や修理どころか、劣化を進行させてしまうことになります。
もしも雨漏りだった場合、緊急を要する案件だったにもかかわらず、もっとひどいことになったら、再修理の費用も高くなり、二重の精神的な苦しみを味わうことになってしまいます。
- 十分な説明を受けないまま工事が終わってしまった
自宅でも、屋根の知識を持っている方は相当少ないでしょう。わからないことをいいことに、何がどうなっているのかも知らされないまま、工事は終了し、確認の報告もないことが起こっています。
- 追加工事をされ、結局は高くついてしまった
安い工事費だったはずが、追加工事やいい加減な工事で、違う工事金額になってしまうことがあります。
- 屋根という場所を悪用し、故意に壊されてしまった
通常、屋根業者ぐらいしか屋根には上がらないでしょう。それをいいことに、わからないうちに破損個所を作り、後から見積もりと請求金額を変えてくることがあります。
- アフターサービスがなかった
屋根工事の費用が安くても、後で何かあった時にアフターサービスがなければ困ることになります。
正当な方法で少しでも屋根工事費を安くするには?
屋根工事のリスクを軽減し、少しでも危険性を取り除きたいなら、一番いい方法は、3社以上の屋根工事業者から相見積もりを取ることです。見比べると、費用相場がだいたいわかるでしょう。
もし、安すぎる業者があった場合、項目までしっかりと読み込むことです。一式などと記載しているなら、安さに惹かれたとしても避けたほうがいいでしょう。
他には、最近の災害で屋根のどこかに損傷があった場合は、火災保険でまかなえることがあります。屋根工事業者に点検と診断をしてもらった時に、どういう症状かの説明を聞き、火災保険の話も聞いてみることをおすすめします。風災、雪災、雹災の場合ならという前提ですが、費用負担にかかわることですから、聞いてみる価値はあるでしょう。
もう一つ、住んでいる自治体から補助金が出る場合があります。これも、ただの劣化ではなく、条件がありますが、念のため、屋根工事業者に確認してみるといいでしょう。
ただ、基本は相見積もりで安くて安心できる屋根業者に依頼することが一番おすすめです。
屋根工事を安い工事業者に依頼したが、解約したい
費用の安さでつい契約をしてしまったけれど、やはりよく考えたら怪しいから解約したいという場合、「クーリングオフ」という、契約を解除できる制度があります。契約日から8日間以内なら、「クーリングオフ」が適用されることになります。
すぐ工事が始まっていたとしても、8日以内なら工事代金は支払わず、原状回復してもらうことが可能です。ただし、業者側にも工事が始まった場合の注意事項として、一部工事分の支払いが生じるという注意喚起の記載があるかもしれませんので、最初の確認が重要になります。
- 解約可能な条件
契約から8日以内なら何でも解約可能ではなく、以下の条件がすべて揃った場合になります。
①契約から8日以内である
②工事金額が3,000円以上
③施主などの依頼者が業者の事務所や店舗で契約していない
④個人の日本国内での契約
- その他、「クーリングオフ」に関すること
本来、契約書の裏面に「クーリングオフ」の記載があったり、業者から説明があったりするものです。違反行為や不当な勧誘などがあった場合や記載事項内容に不備があった場合などは、そもそも契約書が法的書面として認められないことになり、8日を過ぎても解約は可能となります。
「クーリングオフ」は口頭で伝えるのではなく、葉書や封書で「契約解除通知書」として必要事項を記入して業者に郵送することになります。クレジットで代金を支払ってしまった場合には。クレジット会社にも郵送する必要があります。
どちらも、内容証明として郵送することをおすすめしますが、手続きがわからない場合や「クーリングオフ」ができないなど、業者から圧力をかけられているなどの場合があれば、消費者庁の消費者ホットライン(188)に相談も可能です。
悩んでいる間に8 日間はあっという間に過ぎますから、とりあえず消費者ホットラインで聞いてみることをおすすめします。意思表示は早めれば早いほどよく、すぐ行動にうつしましょう。
屋根工事が安く済むからといって、DIYはしないこと
「費用が高くつくから」「悪い屋根工事業者が怖いから」「高い所も大丈夫」などといって、自分でDIYをすることは絶対にやめましょう。日曜大工が得意だという方も、決して甘く見てはいけないのが屋根工事です。
プロの業者でさえ、高所作業の転落事故・死亡事故は発生しているため、何より高所作業で大変危険なこと、劣化の本当の原因が素人では突き止められないこと、適切な直しができないこと、見誤った工事をすると後の工事が余計に高くつくことなどが理由になります。