梅雨時期の雨漏りの原因は?屋根材の劣化以外も!?
梅雨前にしておきたい屋根の自分点検と対処
「いつもの雨では大丈夫だったのに、梅雨や台風時期の大雨で屋根の雨漏りが始まってしまった」。こんな声をよく聞くものです。梅雨に入ればすぐ台風の時期にもなりますし、とにかく雨の量が半端ではない昨今、屋根の状態が心配になっていないでしょうか。
屋根に上る点検がサイトに出ていますが、安全性の問題から、上ること自体がおすすめできません。応急処置だとしてブルーシートを被せたり、防水テープやコーキングを使用したりの作業は、もっと危険と隣り合わせになるため、言語道断でしょう。
そのため、本当に自分でできる屋根の点検や対処は限られてくるものです。ひとまず、屋根ではなく、屋根からの雨水を導く役割のある雨樋や排水口の点検をお伝えします。屋根とは切っても切り離せない大事な箇所であり、何とか自分で点検ができる箇所でもあります。ただし、これもとりあえずの点検として心得ておいてください。
雨樋・排水口の掃除
自分でできることの一つとして、雨樋や屋上などの排水口を砂や泥、ゴミや落ち葉、ボールや鳥の巣などで詰まらせないようにすることがあります。
用意する掃除道具は、ゴム手袋、エプロン、長いトング、脚立、ブラシ付パイプクリーナー、ホース、ゴミ袋などでしょうか。足元は、滑らない靴がいいでしょう。安全のため、2人での作業をおすすめします。
屋上なら足場が平らで安全なため、排水口の詰まり点検の他、防水シートのはがれや傷、ひび割れ、カビ・藻・コケなどの発生も一緒に見られますが、雨樋となると梯子や脚立で点検することになりますので、屋根に上るのではないにしても、足元には十分注意をしたいものです。
掃除方法
2人での作業をおすすめしましたが、掃除をする人、脚立を押さえる人に分かれて作業をしましょう。
①横長の「軒樋(のきどい)」、つなぎ目あるカップ部分の「集水器」、縦長の「竪樋(たてどい)」の順番で掃除をしていきます。
②軒樋に溜まったものをトングで取り除きます。
③集水器にホースで水を流し、竪樋まできれいにします。竪樋から流れるものがなくなるまで流します。
④竪樋で水の流れが悪いようなら、ブラシ付パイプクリーナーを使用します。
⑤再度、集水器から水を流して流れを確認したら掃除は終了です。
雨樋・排水口の破損個所のコーキングや塗装
詰まりであれば、掃除をすれば溜まった雨水が流れる可能性はありますが、破損の場合、基本は取り替えになります。
そうはいっても、経験や技術がなければ、材料選びから取り付けまでをこなすことは困難であることは一目瞭然です。自分でできることといえば、見える範囲の破損個所をコーキングするか、塗装するかで塞ぎ、雨水の通り道を作ることになるでしょう。
屋根が雨漏りになってしまった場合の応急処置
すでに屋根からの雨漏りが始まり、天井が染みている、雨水が落ちているという場合、本当に緊急な場合のみの方法をお伝えします。すぐに業者が来てくれないという場合にも役立ちます。
バケツの中に雑巾か吸水シートを入れ、雨漏りがする真下の床に新聞紙とブルーシートを敷いた上に設置します。また、天井の雨漏り箇所に穴を数ヵ所開けたゴミ袋を広げて取り囲み、画鋲などで留め、バケツに雨水が落ちるようにすれば、二重の防水になります。
屋根裏に行けるようであれば、天井板に雑巾か吸水シートを敷くことも考えられます。
ただし、あくまでも応急処置だということを理解しておいてください。
単純ではない、屋根の雨漏りの原因
「屋根の雨漏りといえば、屋根材からに決まっている」「雨漏りになったら、雨水が漏れている箇所を修理すればいい」と思っているかもしれませんが、屋根の雨漏りの場合、原因が一つとは限らないため、どのような修理を選択するのかで結果が違ってしまうことがあります。イメージしているより、ずっと原因は複雑です。
屋根材のズレ・はがれ・浮き、板金類の不具合、雨樋の詰まり・もれ、コーキングの不具合、漆喰の欠け・崩れ、太陽光パネルやアンテナの隙間・穴、新築時やリフォーム時の施行不良、DIY時の施工不良、雨樋や排水口の溜まりなど、すぐ挙げられるだけでもこれだけの原因があります。
少しの隙間や穴があれば、どんどん雨水は侵入してしまうため、気づかないうちに徐々に雨漏りが進行してしまう可能性があるのです。
原因を突き止め、適切な修理をしなければ、何度も雨漏りを繰り返したり、逆に放置し過ぎて修理をしなかったりすると、屋根のリフォームでは済まず、建物の柱や壁の問題にまで発展し、ついには建て替え問題にまでなる可能性は大いにあります。
雨漏りは、的確な原因究明と適切な修理が重要だということです。
屋根の雨漏りのことは業者任せが一番安心
ここまで、自分で可能な雨樋や排水口などの掃除や応急処置、屋根の雨漏りの原因について述べてきました。結局は素人がDIY感覚で済まそうとすると、原因を誤ったり、安全性の問題や修理しきれない問題があったり、かなり無謀であることはご理解いただけたのではないでしょうか。
やはり、屋根の雨漏りが心配だったり、すでに雨漏りを起こしてしまったりした時に、頼りになるのは近くの業者でしょう。すぐ駆けつけてくれる距離にある業者なら、一番安心できるというものです。もちろん、経験や技術に裏打ちされた施工例の実績があってこそですが、地元に屋根の雨漏りを相談できる業者がいることは、心強い味方になります。
一度依頼すれば、過去の屋根の状態がわかっているため、雨漏りになりそうな原因はすぐ見当がつくでしょう。これほど、住まいに安心感が持てることはあるでしょうか。
具体的に、業者は次のような方法で屋根の雨漏りについて調査をし、適切な対処方法を考えてくれます。
屋根の雨漏りの原因を調べる業者の方法
屋根の雨漏りを調査するからといっても、自分で屋根に上ることは大変危険です。仮に上って雨漏りの箇所らしき場所を見つけたとしても、本当にそうなのかは断定できないでしょう。
そこで利用したいのが、業者による専門家の調査方法です。ほとんどの原因は、これらの調査方法を用いることで、判明することが可能になります。
調査方法 |
調査内容 |
費用目安 |
目視調査 |
目で見て状態を確認 |
無料~約 2万円 |
散水調査 |
原因が疑われる箇所に水を流す |
約 5~10万円 |
発光調査 |
原因が疑われる箇所に発光塗料を流し、屋根裏から紫外線を当てて発光箇所を確認 |
約15~20万円 |
赤外線調査 |
特殊なカメラで表面の温度差を確認 |
約18~30万円 |
いつものメンテナンスの重要性
屋根の劣化状態の把握は、屋根の健康診断のようなものです。梅雨時や台風時期に雨漏りが心配なら、定期的なメンテナンスをしておくことが重要になります。屋根の傷みを放置していたり、カビ・藻・コケなどが発生したりしていると、雨漏りの心配だけでなく、健康への影響も懸念されるからです。
日頃から気軽に頼める懇意な業者があれば、雨漏りの心配もなくなるでしょう。