屋根工事の見積もりは大丈夫?見方のポイントをズバッと解説!
数字やわからない項目が並ぶ見積もり。特に屋根工事の見積もりとなると、よく見かけるわけではありませんから、見方がわからないのも当然です。果たして、記載されている項目や金額が妥当なのかも判断がつかないことでしょう。見積もりの見方を理解することが業者選びをすることに直結します。見方を理解するためのポイントをいくつかズバッと解説していきます。
屋根工事の見積もりの悩み
屋根工事の見積もり。初めて見ると、聞き慣れない用語があったり、単価の数字がよくわからなかったり、一般人ではなかなか理解しにくいかもしれません。“見積もりのわからない部分がどこなのかもわからない”状態ではないでしょうか。費用の確認もしたいのにわからないことだらけで、業者選びの段階から頭を悩ませることになるでしょう。
これでは、何社かに相見積もりを依頼しても、“どう比べていいのか、何を質問したらいいのか”がわからないと、不安になるばかりです。見積もりを情報収集として生かすためには、少しの勉強は必要になります。悩んでいるなら、自分でも見方の勉強をしていきましょう。
屋根工事の見積もりを取る目的
まったく金額の予想がつかなければ、用意する金額がわかりませんから、金額を知ることが見積もりを取る第一目的かもしれませんが、大事な工事を任せる業者を見分けるための目安となることも大きな目的になります。
その他、相見積もりによって業者同士の競争を生み出し、価格やサービスに影響を与える可能性を作る目的や、作業工程を比べて知識を得る目的もあります。
屋根工事の見積もりで優良業者を判断するポイント
①項目に「一式」と記載している業者は要注意
とてもシンプルに、「○○工事一式」とだけ記載されていることをわかりやすいと思ってはいけません。例えば大きく分けたとしても、材料名、工事工程、職人人数、足場や飛散防止ネットの設置、材料処分工程、諸経費などの項目は必要です。一式では、どの項目にいくらかかっているかの詳細がわからないことになります。
※人件費が諸経費に含まれている場合も有
こうした見積もりを平気で提出する業者は、提案力や想像力に欠け、とても工事をしっかりしてくれるとは思えません。お客様に対しても、「どうせわからないからいいだろう」という軽視する態度が表れていると判断できます。
②項目をよく見て、二重計上に要注意
項目が細かく記載されていることはいいことですが、よく注意してみると、二重計上という、同じことを意味する項目が記載されている場合もあります。
例えば、雑費・諸費用・諸経費と分かれていたら、おかしいと疑問を持ちましょう。雑費・諸費用・諸経費は普通、同じものなのです。質問をしてもうやむやにされた場合は、明らかに項目を多くして金額を増やそうとしていると判断できます。
③見積もりにわかりやすい工夫がされているか
ただ項目が羅列してあるのではなく、特におすすめの材料や工事内容別に色分けされているなどの工夫がされている場合、お客様へ提案する真摯な態度とていねいさがわかるというものです。
このような見積もりが出てくれば、工事もていねいにしてくれる期待が持てます。
④点検から診断、見積もりまでの期間
屋根工事でも、小規模な部分的な工事から屋根全体を直す大規模な工事までいろいろあるものです。小規模工事なら、見積もりの期間は2~3日、大規模工事でも1週間ほどあれば見積もりは出てくるでしょう。だいたい、優良業者なら自ら提出日程を申し出ることが多いのですが、たとえ、お客様から提出期限を提案したとしても、必ず間に合わせるようにしてくるものです。
相見積もりでは、同じ頃に点検したのなら、同じ頃に見積もりが提出されることは普通です。連絡なしで遅れるような業者であれば、意欲がなく、工事もその程度だと判断できます。
⑤見積もりの提案の説明はわかりやすく、ていねいか
見積書を提出する場合、担当者が説明にやって来るはずです。何としてでもお客様から受注をいただきたいと思えば、熱量が伝わり、説明にも力がこもるでしょう。どんな質問にも答えてくれる誠実さが感じられる業者が優良業者になります。少しでも面倒な態度をしたり、バカにするような態度をしたり、後日の質問ではあしらいが違ったりした場合は、その業者の職人もそのレベルだと判断できます。そもそも、見積もりを郵送などでそのまま終わらせる業者は除外しましょう。
⑥割引やキャンペーン価格の強調はないか
通常、割引やキャンペーン価格を見積もりで記載することがないのが普通です。最初から最後野項あたりに、もし、記載されていたら怪しい業者だと判断できます。なぜ、割引やキャンペーン価格があるのかを質問し、「特別だから」とか「今だけ」などという理由であれば、契約は見送ったほうが賢明でしょう。
※見積もり依頼時に、図面や仕様書があれば、より正確な金額が出てきます。
屋根工事の見積もり項目ごとの見方と金額
屋根工事を代表する塗装、葺き替え・カバー工法の見積もり項目の見方を解説します。
塗装工事見積もり項目
だいたい、横並びに並ぶ項目として、“品番・品目、数量、単位、単価、金額”があります(多少の名称の違いは有)。
品番・品目には縦並びで、足場仮設工事(足場仮設・養生・飛散防止シート)、高圧洗浄、下塗り、中塗り、上塗り、縁切り(タスペーサー※雨水の逃げ道)、諸経費
※タスペーサーのない場合も有
品番・品目 |
数量 |
単位 |
単価 |
金額 |
足場仮設工事 足場仮設 養生 飛散防止シート |
○○○ ○○○ ○○○ |
㎡ ㎡ ㎡ |
○○○ ○○○ |
○○○,○○○ ○○,○○○ |
塗装工事 高圧洗浄 下塗り(○○) 中塗り(○○) 上塗り(○○) |
○○ ○○ ○○ ○○ |
m ㎡ ㎡ ㎡ |
○○ ○○ ○○○ ○○○ |
○○,○○○ ○○,○○○ ○○,○○○ ○○,○○○ |
縁切り タスペーサー |
○○ |
㎡ |
○○ |
○○,○○○ |
小計 |
〇○○,○○○ |
|||
運搬・管理費 |
○○,○○○ |
|||
諸経費(施工費の〇%) |
○○,○○○ |
|||
見積もり合計 |
○○○,○○○ |
|||
消費税10% |
○○,○○○ |
|||
税込合計 |
○○○,○○○ |
葺き替え工事・カバーシート工法見積もり項目
足場仮設工事項目は塗装工事と同じです。新しい屋根材にするために、既存屋根材の撤去・処分費がかかります。カバー工法の見積もりは、既存屋根材の撤去・処分がないため、その項目はなくなります。
品番・品目 |
数量 |
単位 |
単価 |
金額 |
足場仮設工事 足場仮設 養生 飛散防止シート |
○○○ ○○○ ○○○ |
㎡ ㎡ ㎡ |
○○○ ○○○ |
○○○,○○○ ○○,○○○ |
既存屋根材撤去 下地補修 防水シート 新しい屋根材 (○○○○) |
○○○ ○○○ ○○ ○○ |
㎡ ㎡ ㎡ ㎡ |
○,○○○ ○,○○○ ○○○ ○,○○○ |
○○○,○○○ ○○○,○○○ ○○,○○○ ○○○,○○○ |
小計 |
〇○○,○○○ |
|||
運搬・管理費 |
○○,○○○ |
|||
諸経費(施工費の〇%) |
○○,○○○ |
|||
見積もり合計 |
○○○,○○○ |
|||
消費税10% |
○○,○○○ |
|||
税込合計 |
○○○,○○○ |
共通事項として確認したいこと
- 塗料名・屋根材名、塗り回数、下地補修の内容、面積の確認
- 諸経費:だいたい総額の10~15%ほどが上乗せされるため、含まれる内容の確認
- 雨樋やその他不測の事態での追加工事が起きた場合の金額も確認
- 契約書ではなく、見積書であることを確認(契約書は別途必要)
- もし、値引きがあるとしたら、理由を確認
- 保証の確認
他にも、質問があれば聞くようにしましょう。