夏を快適に過ごす!屋根の暑さ対策方法のまとめ
今年はまた6月から異常なほどの暑さ到来です。これからもこの異常気象が続くと、屋根の負荷も大きくなります。いろいろな種類の屋根がありますが、暑さに対してどうなのでしょうか。何かとるべき対策はあるのでしょうか。あるとすれば、今年は早急に考えたい問題になります。
屋根の暑さ対策が必要な理由
屋根は元々日が当たることは当然なので、暑さに対して何かできると考えていなかったという方は多いかもしれません。しかも、「エアコンをつけていれば部屋は涼しいので特に問題はない」と思う方、「エアコンをつけていても部屋が暑い」と思う方で、感じ方の違いもありますので無理もないことです。ただ、屋根に暑さ対策をしておけば、少しでも夏を快適に過ごすことにつながりますので、ぜひ、検討したい課題になるでしょう。
では、なぜ屋根にも暑さ対策が必要なのかの主な理由を2つ具体的に挙げてみます。
①室内温度を下げ、省エネになる
屋根に暑さ対策をすれば、屋根で吸収した直射日光のそのままの温度は、建物に伝わりにくくなります。何も対策をしないことと比べれば、エアコンの効きの違いもあり、省エネ効果への影響は大きいといえます。
②屋根材の傷みを抑える
「屋根に種類があることは知っていたけれど、デザインや費用の違いで選んでいた」ということもあるのではないでしょうか。間違いではありませんが、実際、屋根材によって耐久年数があり、環境によっても適した屋根材はあります。長い目でコスパを考えれば、屋根の暑さ対策を視野に入れて考えることは有効なのです。
屋根の暑さ対策には、どんな方法がある?
屋根の暑さ対策の必要性があることはおわかりいただけたでしょうか。さらに一歩進んで、屋根にはどんな対策があるのかを考えていきます。今から新築を建てようとしている方、リフォームを考えている方は参考にしてください。
屋根の主な遮熱3対策
①遮熱機能のある屋根材を施工する
新築を考えている方、リフォームのカバー工法や葺き替えを考えている方、両者におすすめです。遮熱機能のある屋根材というのは、屋根材の表面に熱の元になる赤外線を反射させる役割があります。費用はかかりますが、暑さに最も影響のある箇所になりますので、できれば一番おすすめしたい対策になります。
既存の屋根相の上に被せていくカバー工法で取りつける方法、既存の屋根材を全部取り替える方法の2つがあります。
特に、今の屋根がスレート瓦、トタン屋根、ガルバリウム綱板、アルミなどの金属屋根の場合、熱伝導率が高く、表面温度が上がり、室温を上げやすくなるため、遮熱機能のある屋根材に替えると断トツに室内温度も変わることになります。ガルバリウム綱板については、最近のものであれば、断熱材がついたスーパーガルバリウム鋼板があるため、既存のガルバリウム鋼板のタイプを知ることが大事です。
中でもトタン屋根は安価ということで古くからある屋根材ですが、耐用年数は低く、暑さ対策云々ということでなく、メンテナンス上からしてもリフォームは早くしたほうがいい屋根材です。カバー工法と葺き替え方法があると前述しましたが、どちらも可能にはなります。ただし、費用はあまり変わらないため、リフォームをするなら、葺き替えのほうがおすすめです。
②遮熱塗料を使用する
リフォームを考えている方で、費用を抑えたい方におすすめです。太陽光を反射させる役割を持ち、「高日射反射率塗料」といいます。遮熱機能のある塗料は、ない塗料に比べて耐用年数が長く、10~20年ほどです。さらに機能性をプラスするなら、防汚性を兼ね備えた塗料を選ぶといいでしょう。汚れが付きにくい分、遮熱効果が長続きするからです。
似ている種類の塗料で、断熱塗料というものもあります。室温を下げにくくし、外の熱を伝わりにくくするため、寒冷地域や1年中の快適さを求める場合は、こちらの種類も選択肢に入ります。耐用年数は15~20年ほどです。
室温の低下や電気代はどちらもあまり変わりませんので、耐用年数と費用で検討することになるでしょう。1㎡あたり1,000円ほど、断熱塗料のほうが高くなります。
特に寒冷地でない地域にお住まいではなく、夏の暑さに重点を置きたいとお考えなら、費用面を考えると遮熱塗料で十分ではないでしょうか。
③遮熱シートを使用する
新築を考えている方、リフォームを考えている方の両者に適用する、屋根裏や屋根表面に貼る施工になります。遮熱シートの役割は、夏は外から照りつける日差しを反射して熱を伝わりにくくすること、冬は室温を下げにくくすることになります。倉庫や工場などの大型物件での施工が普及していますが、一般家庭でも使用することは可能です。
ただ、単価が高めなこと、遮熱シートを施工できるリフォーム業者などが限られることなどが現状としてあり、気軽な施工とまではいえないでしょう。
屋根の主な遮熱3対策の費用相場
どの対策を選択するのかは、依頼業者との相談によりますが、気になるのは費用の問題でしょう。業者に予算を聞かれたとしても、相場がわからなければ答えようがありませんので、大雑把でも上記の遮熱3対策の費用相場を知っておくことをおすすめします。すべて70㎡を基準として工事費込みの費用です。相見積もりは必ず取りましょう。
①遮熱機能のある屋根材の費用相場
カバー工法では、60~250万円、葺き替えでは70~260万円ほどの費用がかかります。既存の屋根が瓦屋根だった場合や劣化が激しい屋根材だった場合、カバー工法は行えません。判断は依頼業者の診断次第です。
施工費用は、耐用年数を考えれば高くはないでしょう。
②遮熱塗料の費用相場
70~100万円ほどの費用がかかります。遮熱塗料は屋根と外壁に共用できるものがあり、メンテナンスの際にセットで塗装することが多くなります。両方で遮熱対策をすれば、きれいになる他、暑さ対策にもなる一石二鳥で、費用も多少のセット割引があるかもしれません。
塗料を塗る場合も、屋根や外壁の劣化次第で施工が行えない場合があり、判断は依頼業者の診断次第です。
③遮熱シートの費用相場
80~100万円ほどの費用がかかります。遮熱塗料の費用相場と変わらない印象を受けるかもしれませんが、依頼業者にもよります。一般住宅で扱う業者は限られるため、割高になっていることもあるでしょう。
その他、屋根の暑さ対策で可能な施工
一般家庭ではコストがかかるため、余裕があればということでご紹介します。倉庫や工場などの大型物件で取り入れている屋根の暑さ対策です。倉庫や工場などの屋根は、トタン屋根であることも多く、そのために取り入れられている方法になります。ただし、どちらの方法も電気代や水道代がアップするため、そういう意味で余裕があればということなのです。
- 屋根裏に換気排熱扇を取り付ける
屋根下にロフトがある場合はエアコン設置も考えられますが、普通の屋根裏の場合、換気口だけでは室温を下げる効果は弱くなります。効果アップのためには、強制的に熱の入れ替えができる、換気排熱扇があるほうがいい状態だとはいえるでしょう。
- 屋根散水を取り入れる
屋根に打ち水をする方法で、専用のスプリンクラーの取りつけになります。決まった時間に水をまくため、建物の温度を下げる一定の役割にはなるでしょう。