台風対策!スレート屋根のデメリットをあえて解説
屋根の種類はいろいろありますが、今、スレート屋根とガルバリウム鋼板屋根がトップクラスのシェアを占めています。新築の際やリフォームの場合に迷うかもしれませんが、今回はスレート屋根を中心にお伝えしましょう。台風に関係する屋根のことだけに、メリットだけでなく、デメリットも解説していきます。
スレート屋根の普及率と点検・メンテナンス
業者によって“カラーベスト”や“コロニアル”とも呼ばれるスレート屋根。スレート材の商品名が“カラーベスト”や“コロニアル”であったためで、名前は違っても、種類としてはスレート屋根になります。ガルバリウム鋼板屋根に並んで人気のスレート屋根は、普及率は約3割を占めるほどです。
屋根の点検やメンテナンスについては、スレート屋根に限らず、定期的にしなければなりませんが、「最初の点検やメンテナンスを築何十年も放置してやってこなかった」という方も結構いらっしゃいます。点検やメンテナンスでおすすめといわれる時期は、定期点検が約5~7年、塗装が約10年、棟交換が約15年、屋根全体のリフォームが約30年です。明らかにどこか不具合がある場合は、もっと早めにしなければならないでしょう。
いずれにしても、何かあってからでは間に合わないこともあります。点検とメンテナンスは避けては通れない必要なことです。いつでも行える準備をしておくよう、おすすめします。
スレート屋根のメリット・デメリット
スレート屋根は優れたメリットがあるからこその普及率ですが、デメリットがないわけではありません。デメリットは台風対策とも関係していますので、あえて細かく解説していきます。
定期的な点検やメンテナンスでデメリットを減らしていくことは、台風対策の対応ともなりますので、
参考にしてください。
メリット
●価格がお手頃
屋根材の価格やメンテンナンスにかかる費用が他の屋根材にくらべ、比較的安く済むことで、これだけの普及率があります。
●スタイリッシュなデザイン性
屋根材のカラーやデザインが豊富で、どんな住宅にも馴染みやすいことが、新築やリフォーム時に選ばれる理由です。
●耐震性に貢献する軽量
屋根材は軽いほど、耐震性があることは学術的に証明されています。スレート屋根は、ガルバリウム鋼板屋根よりは多少重くなりますが、それでも価格やデザイン性の高さを考えると、十分、耐震性に優れているといえるでしょう。
●施工業者が多い
普及率が高いことで、全国どこでもスレート屋根に対応している業者は多くあります。施工業者の選択が多いことは競争になりますから、修理の技術も高くなっているでしょう。独自の保証サービスを行っている業者があるかもしれません。
デメリット
●ひび割れが起きやすい
軽くて薄いというメリットがデメリットでもあります。台風や強風、飛来物の衝撃で割れやすく、雨水の吸水、夏場の高温乾燥などでもひびが入りやすくなってしまいます。紫外線によっても劣化しやすい面があるでしょう。
●メンテナンス頻度が高い
屋根材の価格は安いものの、ひび割れの起きやすさからすれば、点検をガルバリウム鋼板屋根より早めに行う必要があります。定期点検が約5~7年、塗装が約10年の目安ですが、大型台風や強風などがあった場合、すぐの点検を実施することがおすすめです。点検次第では、その都度のメンテナンスも必要になります。
●維持・管理コストがかかる
点検・メンテナンスをしなければならない頻度が高いため、メンテナンス費がかかることが予想されます。点検をしたとしても、頻繁にメンテナンス作業にならず、定期メンテナンスで済めば、さほど維持・管理コストがかかるとはいえませんが、もしもの時のためにメンテナンス費を用意しておかなければならないでしょう。
●耐用年数が短い
瓦屋根に比べると、耐用年数は約半分、ガルバリウム鋼板屋根に比べると、数年は短くなります。新築やリフォーム時の初期費用は抑えられますが、メーカーが出している耐用年数で見ると、寿命は短くなってしまうでしょう。
スレート屋根の台風による被害
最近は大型台風が多く、たとえ新築だとしても油断は禁物です。中でも、スレート屋根の台風による被害は多く報告されています。スレート屋根に多い主な被害を3つ見ていきましょう。
①棟板金の破損・飛散
風邪の影響を一番受けやすいのは、屋根の最も高い所にある板材の棟板金です。台風による強風の影響を最も受けやすいためで、台風の直撃を受けなかったとしても、屋根が飛ばされたり、めくれや剥がれで変形してしまったりなど、大きな被害が多く出やすい部分になります。
破損・飛散の原因となるのが、釘の浮きです。釘の打ち替えか棟板金の取り替えかは、点検時の業者の判断によります。
②屋根材のひび割れ・剥がれ
アスベストの使用が禁止されてから、スレート屋根材の強度は多少弱くなったことは否めないでしょう。余計にひび割れになりやすい状態になっているかもしれません。ひび割れの前兆としてある症状は、髪の毛と同程度の細いひび割れ(ヘアークラック)が出てきます。もし、点検でヘアークラックが出ていれば、すぐメンテナンスを実施したほうがいいでしょう。
点検ですでにひび割れがある場合や剥がれがある場合は、有無をいわず、メンテナンスが必要です。
③雨樋の変形や剥がれ
スレート屋根だけではありませんが、雨樋に関する被害も多くあります。雨樋の不具合があると、屋根からの雨漏りが第一に心配です。屋根点検の際には、雨樋もセットで点検しましょう。
スレート屋根の台風対策にかかる予防メンテナンス費用
スレート屋根の場合、台風に備えてのメンテナンスをすると、ざっとどのくらい費用がかかるのかをお伝えします。
屋根面積が30坪の場合、5年ごとひび割れ補修は約1~3万円/箇所、築10年を目安に塗装は約30~80万円、築15年を目安に棟板金の釘の打ち直しは約3~10万円、棟板金交換は約10~30万円、屋根全体の釘の打ち直しは約20~50万円、築30年を目安にカバー工法は約80~120万円、葺き替えは約100~250万円を見ておきましょう。
他にも、雨樋補修は約1~3万円/箇所、雨樋の全交換は約15~30万円、足場には約10~20万円などの費用目安があります。
点検・メンテナンスは地元の優良業者に依頼
屋根に上り、自分でDIYしようとすることは絶対に避けてください。落下の危険が伴うことや正しい点検・メンテナンスができないからです。まして、スレート屋根の強度の具合がわからない場合、足の乗せ方によってさらに状態を悪くすることがあります。必ず、業者に依頼しましょう。
業者へ依頼するとしたら、地元の優良業者がおすすめです。地元の気候を知り尽くし、実績・経験豊富、すぐ駆けつけてくれる、安心感のある業者に依頼してください。しっかり点検をした上で、数社の相見積もりを取りましょう。目視だけでなく、屋根に上って調査をしてくれる業者でなければなりません。
『詳しく、わかりやすく、丁寧な対応をしてくれる業者』『費用が適正価格である業者』『アフターフォローがある業者』『火災保険での対応を説明してくれる業者』を探しましょう。今後も、定期点検やメンテナンスで長期にわたりお世話になる業者です。しっかりした基準で選んでいきましょう。