【2022年版】火災保険が使える屋根工事!台風による被害はOK?
火災保険の必要性
火災保険への加入は法律上の義務ではありませんが、もし、未加入だとするとどんなことが起こり得るかのリスクを考えてみましょう。
日本では7~8割ほどが木造住宅だといわれ、住宅が密集している地域も多くあります。まず、仮に自分が火元にならないとしても、もらい火で火災になる可能性は十分に高いといえるでしょう。その時に、建物と家具などを再購入する費用が自分ですぐ用意できるでしょうか。住宅ローンがあれば、なおさら心配になるのではないでしょうか。たとえ、オール電化住宅だとしても、配線器具からの火災を考えれば、火災の心配は決してゼロとはいえません。
他にも、もし、台風で屋根が壊れてしまったら、何百万という費用を全額自己負担できるでしょうか。さらにいえば、最近起こっているような洪水や土砂崩れなどに巻き込まれてしまった場合、また家を再建する費用が準備できるでしょうか。一生のうち、災いに遭うリスクは限りなく高まっているのです。公的機関の補助費用でとても賄えるものではありません。
意外と、火災保険は火災にしか対応していないと思い込んでいる方がまだ多いかもしれませんが、自然災害などにも補償対応があるため、台風や暴風雨などの時に費用をカバーしてくれることを知っておきましょう。家は暮らしていくためになくてはならないものだからこそ、火災保険に加入することは義務でなくとも必要であるといえないでしょうか。
火災保険の補償範囲
火災・自然災害の他、火災保険が補償する範囲を見ていきます。保険会社との契約内容により、どの火災保険も全部の補償があるわけではありません。補償の対象として、建物のみ・家財のみ・建物と家財という3つに分かれています。自身の契約がどの補償になっているのか、加入している保険の約款を確かめるか、保険会社の窓口に直接問い合わせ、補償対象を確認してみることをおすすめします。
補償範囲 |
内容 |
火災 |
失火・もらい火・ボヤ・放火などによる火災の損害を補償 |
破裂・爆発 |
ガス漏れなどによる破裂・爆発の損害を補償 |
落雷 |
落雷による被害を補償 |
風災・雹災・雪災 |
台風等の強風による損害、雹や霰、雪の落下などによる損害を補償 |
水災 |
台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどの損害を補償 |
水濡れ |
給排水設備や他人の戸室などの水濡れ損害を補償 |
物体の飛来・落下・衝突 |
車の飛び込みや飛び石など、建物外部から物体が飛来・落下・衝突してきた損害を補償 |
騒擾・集団行動などに伴う暴力行為 |
集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害を補償 |
盗難 |
家財・鍵・窓ガラスの損害などを補償 |
破損・汚損 |
建物や家具の損害を補償 |
屋根が受ける台風や暴風雨の被害の一例
約款内容次第ですが、火災保険の補償範囲が広いことがわかったでしょう。少なくとも、火災と自然補償はどの火災保険にも加えられていることが多くなります。自然災害で一番に被害を受ける建物の部分として挙げられるのが屋根です。屋根一つとってみても、昔と違った気候変動による屋根の被害は、甚大なものとなってきています。ニュースなどで、屋根にブルーシートを被せている映像が映し出される度に思い知らされるものです。
では、台風や暴風雨などによる屋根の被害には、どのようなケースがあるでしょうか。一例を挙げて見ていきます。
- 台風や暴風雨で屋根材が下地ごと飛んでしまった
- 台風や暴風雨による飛来物で屋根に穴が開いた
- 台風や暴風雨で雨漏りになった
- 台風や暴風雨でアンテナが壊れてしまった
- 台風や暴風雨で漆喰や雨樋が壊れてしまった
- 台風や暴風雨で棟板金がズレたり浮いたりしてしまった
このような被害があれば、修理の際に火災保険を利用できる可能性があります。
台風被害で屋根工事をする時の条件
屋根工事に限ってみると、火災保険が適用されるのは、以下の3つの条件が揃っていることになります。あくまでも、自然災害といっても地震による災害は地震保険の範囲で対象外です。
①屋根の破損原因が風災・雪災・雹災によるもの
台風、暴風、竜巻、大雪、雪崩、融雪水の被害、雹、あられなどで、屋根が破損した場合はすべて含まれます。
②被災から3年以内に申請
屋根の破損状況はすぐわかることばかりとは限りませんので、被災日からさかのぼって3年以内なら申請可能だという条件になっています。
③修理費用は火災保険の免責金額以上
屋根工事費が20万円以上だった場合のみ全額が補償され、20万円未満では自己負担となることが条件として一般的になっています。
台風被害で屋根工事をする時の申請方法
申請というと、複雑そうなイメージがあるかもしれませんが、実際はとても簡単です。ただし、自分で申請しなければなりません。代行業者が行っている場合がありますが、手数料がかかります。自分で行ってもさほど手間はかかりませんので、トラブルを防ぐためにも、自分の目で見ながら書類を記入することをおすすめします。申請の手順は次の通りです。
①保険会社に連絡
明らかに自然災害後に屋根がおかしい状態であれば、すぐ保険会社に状況を報告します。申請書類を郵送する話になりますので、書類の到着を待ちます。
②業者に点検と診断、相見積もりを依頼
たとえ、保険会社の担当者が点検に来るとしても、修理するのは業者です。業者も点検なしで修理をすることはありませんから、業者への連絡は必要です。①と②の順番が逆でも問題はありません。業者に点検と診断をしてもらい、写真や見積もりを出してもらってから、保険会社に連絡をしても構いません。
③書類の記入
わからない箇所があれば、保険会社に聞きながら完成させます。
④申請書を返送
⑤保険会社から調査人が来ることになれば、調査を待ちます。
⑥申請内容が認定されれば、1ヵ月以内ほどで指定口座に入金されます。
火災保険で屋根工事ができるという詐欺に注意
「あくまでも火災保険の適用は自然災害によるもの」で、火災保険が何でも使えることではありません。点検や診断をまったくしないうちに、火災保険が屋根工事に使えるというトークはおかしなことです。屋根の経年劣化が原因の工事で火災保険が使えることはなく、言葉だけを信用すると、トラブルや詐欺に巻き込まれやすくなるでしょう。
必ず、相見積もりをとり、業者の説明を聞いてから保険会社に申請をしたいものです。地元密着の優良業者なら、申請についてもよく知っているため、アドバイスをしてくれるかもしれません。信用できる業者に依頼してこそ、火災保険できちんと屋根工事ができるというものです。
地元で優良業者を見つける方法
次のようなことは絶対に避けるべき業者です。しっかり見分ける力をつけましょう。
訪問業者、申請書金額に多めに記入させる業者、費用はゼロという業社、契約書がない業者、最初から安さを強調する業者など、耳障りのいい言葉で近寄る業者は、ほぼ悪徳業者だと思いましょう。優良業者なら、都合よく語ることはないからです。